2010年11月15日月曜日

旅日記<17> - 天井画は鑑賞に堪えない?

朝、宿の近くの教会に行ってみた。
「地球の歩き方」では星が3つ付いていたが、行く必要はないものだったと思
う。確かにティントレットとかベルニーニとか、有名どころが描いた天井 画な
どがあるが、照明もひどいし、距離が離れているので見るに堪えないのだ。
 
タブロー(tableau)というのは、ダ・ヴィンチが発明したというのはウソだろ
うか。彼は何枚かの絵を持ち歩いていたと言われる。そういう絵 の描き方は、
絵が建築に従属しないようになって初めて出てきたもので、長いフレスコ画の歴
史から解き放たれて油絵(祭壇画など)が主流になってい くエポックだと認識
している。
 
とにかく、教会で見る天井画は感動できない。同じティントレットでも、美術館
にあるものは鑑賞の対象となる。感動もできる。しかし、天井画は装飾 に過ぎ
ないような気がする。距離と大きさ、照明状態、見上げるという行為、これが絵
画には向いていないのだと思う。装飾については、天井を見上げ ても感動でき
ることがあるが、それは凹凸があるからだろう。
 
さて、こういうことを考えてきて、ミケランジェロやラファエロは偉大なのだな
と思った。『アテネの学童』や『最後の審判』は...ありゃ、やっぱ り天井
ではなく、壁にあるのね。

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