2010年11月9日火曜日

蓮舫さんと鈴木さん

ノーベル賞の発表は、もうずいぶん前のことのようだ。
北海道大学名誉教授の鈴木章さんの受賞では、仕分けで名を馳せた蓮舫議員への
一言がクローズアップされていた。
「No.2じゃダメなんですかなんて言うのは、科学を分かっていない人が言うこ
と。No.1じゃなきゃダメなんです。」
そう、科学はNo.1だけに特権が与えられる。たとえ同時期に独立して発見した事
象であっても、学会誌への掲載が一月遅れれば、それは敗北という こともあ
る。特許もしかり。他人に先んじて成果を出すことが大事。そうなのだが、私は
「鈴木さんは政治を分かっていないのかなあ。」と思わなくも ない。
スーパーコンピューターより環境技術の支援に取り組んだ方が日本の発展にとっ
て得策と考えたなら、スーパーコンピューター向けの予算は削ってもい い。政
治というのは、そういう大局的な見方が必要とされる場所であり、ある特定の分
野がNo.2になることよりも利益が出るのなら、No.2でも いいんです。
蓮舫さんが、そこまで考えて発言したかは定かでない。しかし、これはデザイン
と研究のアナロジーとも思える。研究は一部分を先んじて究めることが 大事な
のだろうが、デザインは全体を考えてバランスを取ることも大事だ。
普段、デザインと研究というものの関係を考えることがあるので、そんなことを
思いついた。

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