2013年1月6日日曜日

OS Xの「辞書」アプリで「英辞郎」を使う をやってみた(初心者向け解説)

Macで英辞郎を使うソフトが良くわからず、ネット検索したところ以下に出会った。
結果的に非常に快適なので、お薦めしたい。「初心者向け」に作業手順を紹介する。

大本はTatsさんのページです
OS Xの「辞書」アプリで「英辞郎」を使う
http://www.binword.com/blog/archives/000569.html

作業環境
Macbook Air(Mid 2011)
Mac OS 10.7.5(Lion)
プロセッサ 1.7GHz
メモリ 4GB

作業手順
(1)Xcodeのダウンロード
Mac App StoreからXcodeをダウンロードする。(Finder→アップルマークのメニューからアクセス。)
Appleの開発者用アカウントを作成する必要があり、氏名等を入力させられる。無料。

(2)Dictionary Development Kitのダウンロード
「アプリケーション」フォルダ内のXcodeを起動。
「Xcode」メニュー→「Open Developer Tool」→「More Developer Tool」で開発者用のウェブページを開く。「Auxiliary tools for Xcode」を探し出してダウンロードすると、その中に「Dictionary Development Kit」が入っている。
 ダウンロードした「Dictionary Development Kit」フォルダを「アプリケーション」の中に移動する。
※別にここでなくとも動くが、ワンパターンにしておいた方が間違いがない。

(3)Command Line Toolsのダウンロード
「Xcode」メニュー→「Preferences」→「Downloads」タブで現れる「Command Line Tools」をインストール
※これがないとmakeコマンドを受け付けない

(4)eiji_conv???.zipのダウンロード
http://www.binword.com/blog/archives/000569.htmlから、ダウンロードできる。H24年末の段 階では、eiji_conv009.zipだった。
 ダブルクリックして解凍。「eiji_conv009」フォルダができる。

(5)project_templatesの上書き
「Dictionary Development Kit」フォルダ内に「project_templates」フォルダがある。そこに「eiji_conv009」フォルダ内のファイルを移動。3つの ファイルが上書きされる。

(6)英辞郎の購入
http://www.eijiro.jp/get.htmから購入サイトに移動できる。
※書籍版だと、makefileの書き換えにさらに一手間いるらしい。
 書籍版より廉価でもあるし、ダウンロード版を購入する。
H24年末の段階では、EDP-136.zipがダウンロードされた。解凍すると、「EDP-136」フォルダができる。(※数字はバージョン)
その中の「EIJIRO」フォルダに以下の4ファイルがある。これをproject_templatesフォルダにコピーする。
EIJI-136.TXT
REIJI136.TXT
RYAKU136.TXT
WAEI-136.TXT

(7)makefileの書き換え
「project_templates」フォルダ内のmakefileをダブルクリックして開く。きっとテキストエディットで開かれる。
DICT_BUILD_TOOL_DIR = "/Developer/Extras/Dictionary Development Kit"
の行を
DICT_BUILD_TOOL_DIR = "/Applications/Dictionary Development Kit"
に書き換える。
※eiji_conv009.zipがLionより前のMac OSに対応しているための措置。
 この例は、「Dictionary Development Kit」フォルダがアプリケーションフォルダにある時の記述。
 両端の"がmakefile内の他の"と異なっている場合には上手く作動しない。
 他の"をコピーして置き換える。
 普通に保存。

(8)rubyコマンドの実行
「アプリケーション」フォルダ→「ユーティリティ」内にある「ターミナル」を起動。以下のコマンドを打つ。(※「$」は「$」の出ている行の$の 後にこう打つという意味。)
$ cd /Applications/Dictionary\ Development\ Kit/project_templates
$ ruby -Ks ryaku_conv.rb < RYAKU136.TXT > Ryaku.txt
$ ruby -Ks cat.rb EIJI-136.TXT Ryaku.txt > Eijiro.txt
$ ruby eiji_conv.rb < Eijiro.txt > MyDictionary.xml ; make ; make install
※最初のcdでchange directoryし、「project_templates $」という表示が出ている状態にする。
 あとはrubyコマンドで辞書を統合したものを作成していく。
 バージョンの部分は、適宜書き換えること。

(9)ひたすら待つ
「Done.」が表示されれば、終了。
今回の環境では、12時間掛かった。丸1日くらいは電源ONにしておけるときに実施すべきだろう。
「アプリケーション」フォルダ内の「辞書」をダブルクリックして開くと、英辞郎が追加されている。

※導入された「英辞郎」のファイルは、辞書アプリの「ファイル」メニューから「"辞書"フォルダを開く」を選ぶと見ることができる。ユーザーの方 の「ライブラリ(普段は非表示)」に存在していた。ちなみに、他の辞書はMacintosh HD直下のライブラリにあるDictionariesフォルダ内にあった。

(10)和英辞郎も導入(してもよい)
※以下を良く読んでご判断ください。不備があります。
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makefileの書き換え
 ファイル内の「英辞郎」を「和英辞郎」に書き換える。
あとはrubyコマンドを実行する。
$ ruby -Ks cat.rb WAEI-136.TXT REIJI136.txt > Waeijiro.txt
$ ruby eiji_conv.rb < Waeijiro.txt > MyDictionary.xml ; make ; make install
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今回の環境では、26時間くらい掛かった。
※辞書アプリを立ち上げたら、最初は英辞郎というラベルが2つ表示された。クリックしてみると、中身はどちらも和英。困った....しかし。
 ラベル(辞書Windowに表示された辞書名のうち、右側の「英辞郎」という文字)をcontrol+クリックするとラベルを変更できる。それ を「和英辞郎」に変更して、環境設定で英辞郎のチェックをはずして点けてとやったら、英辞郎は英辞郎、和英辞郎は和英辞郎になった。めでたしめで たし....が、なぜかはわからん。
 Dictionariesフォルダにあるファイルはきちんと「英辞郎」と「和英辞郎」の名前でできている。
「MyInfo.plist」の情報を書き換えておけば、こんな作業は必要なくなるのだろうと思うが、試行して表示を消せなくなっても困るので Tryしていない。

(11)
「control+command+Dを押しっぱなしにしていると、マウスカーソル近くの単語を自動認識して辞書を引いてくれるのでとても快適 だ。」とTatsさんが書いている。SafariなどAppleが作成したアプリなら、そうなるのかな。Evernoteもそうなった。 Firefoxは駄目だった。

(補足・蛇足)
Tatsさんに感謝。お世辞じゃなくて、そう思います。ありがたい。
この文章で、導入がやりやすくなり、Tatsさんの時間を取ることが少なくなれば本望。
この作業を遂行するに当たって、TatsさんのBrogのコメントも役だった。初心者の投稿という感じのものは少なく、有益な情報が並んでいたか らだ。
Tatsさんの時間を取るのではなく、こういう情報を参照して、できるだけ自力で解決していきましょう。

画像は、上記遂行後のDictionary Development Kitフォルダの状態