2011年9月25日日曜日

手許供養 - 遺石について

父が他界して9ヵ月が過ぎた。
春のお彼岸には墓を建立するはずだったが、私のデザインと墓石屋の実施図面の
乖離が大きく、デザインが決まらずに延び延びになっていたところで、 妻が一
つの新聞記事を見つけてきた。お骨を溶融して石にするというサービスを知っ
て、妻の骨から3つの石を作り、自分、息子、妻の息子の3人で分 けたという
話であった。
 
たぶん、「骨」、「石」程度の検索ワードであったが、戸田葬祭サービスが開発
した「遺石」にたどり着いた。ダイヤモンドにするサービスはいくつか あるよ
うだが、石にするサービスはここだけのようだ。
 
私のように、郷里から離れた長男にとって、郷里への墓参りは歳を取るほど億劫
になるものだろう。まして、「家」などという考え方に馴染みのない息 子の世
代には意味が見いだせなくなる可能性が高く、孫に取っては「関係ない」であろ
う。そう考えると、墓という制度・形に縛られるより、手元供養 という形の方
が、心が落ち着く。
 
ひとまず、母の元に届けた遺石であるが、妹と私の代になった時にはどういう形
がいいのか。もう少し時間を掛けて考えてみたい。残った遺骨も、しば らくは
そのままである。
 

2011年9月21日水曜日

本のメモ:いいたいことがいえる人、いえない人

松本幸夫「いいたいことがいえる人、いえない人」太陽企画出版
 
最近、Blogに書き込むことが少なくなり、本を読んだ時のメモになりつつある。
今回のは、友人関係とかを考える季節の娘にと思い、でも彼女は読まず私が読ん
だという本。図書館で借りたので、少し古いです。
 
でも、中身は非常にいいと思います。
アサーション(assertion:断言, 断定, 主張)ということについて書いてある
のですが、要するに、言いたいことがあるのに諦めてだんまりを決め込むのでも
なく、自分の意見を押しつけるのでもな い、そういう言い方ができるようにな
れるといいよね、ということです。
 
アサーティブになれる5大ルール
(1)日頃のコミュニケーションをよくする
(2)代替案を示す
(3)クッションの役割を果たす言葉を用いる
(4)アイ・メッセージ(I message)を使う
(5)相手を決して否定しない
 
 字面からも意味はわかるだろうけれど、(4)はわかりづらいかもしれない。
「あなたは何々だ。」と言わず、「私はあなたが何々だと思う。」とい うよう
に、自分がどう考えているか、感じているかという表現にすることだ。状態とし
て述べる(ex.「あんた、最近たるんでるよね。」のではな く、感 じたことと
して述べる(ex.「私は、あなたが最近何事にも熱心でないように思う。」)こ
とで反論しづらくするという効用があるらしい。
 反論しあうのではなく、まず気づきを認めてもらうということだろうか。
 
 そう考えて来ると、他のものも反発を買って言いたいことを理解してもらえな
いという事態を避けるための知恵だとわかる。人間って、よっぽど自尊 心が強
くて、人の言うことを聞きたくないみたいだね。

 自分では、こういうことにそれなりに気を遣って話しているつもりなのだが、
相手はどう思っているだろうか。
 一番の問題は、子供ですな。どうも、子供にはこれらの適用がルーズになりが
ちなような気がする。娘にも、本を読ませることに失敗したし、それ は、この
5項目とも関係があるかも...と、若干反省してみる父でありました。
 
PS.
 あともう一つ、相手の立場だったらどう感じるかという視点を入れることも、
アサーティブになるためには重要だと思う。これは、私の気づき。

2011年9月14日水曜日

gIveeというサイト

あるサイトで紹介されていたのが、「givee」。東日本大震災に遭われ、立ち直
るプロセスを個別に応援する寄付サイトである。どこでどう使われ るかわから
ない寄付ではなく、使途を明確にして応援するというコンセプトが気に入って、
応援しようかと思ったのだが。
http://www.givee.jp/project/
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Q. このサイトはボランティアでやってるのですか?
A. giveeは株式会社オンザボードの事業として運営しています。
支援金額のうち13.6%+40円が弊社の手数料となります。手数料は、サーバー
代、決済手数料、システム構築や調査、運営などの人件費として使 わせて頂き
ます。
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これが、ネックのような気がする。
3,000円寄付すると、448円が手数料。感覚的には、ちょっと高い。7〜8%くらい
に抑えられたら、ずいぶん抵抗感がなくなるような気がする のだが。210円
/3,000円だったらリーズナブルでしょう。
あと、3,000円以上なら400円とかいうリミットを設けるのもありのような気がす
る。そうすると、多めに寄付することへのインセンティブにな るから。比率で
行かれると、儲け主義と取られかねないように思う。

実は、ほとんどのプロジェクトの寄付額は大きく目標額を下回っている。
宣伝方法と共に、こんなことも気に掛けてもらえたら、うまく回る可能性がある
のではないかと。
アイデアとしては、◎だと思うので...。

2011年9月5日月曜日

秘伝すごい会議

大橋善太�、雨宮幸広:秘伝すごい会議、大和書房

 会議の進め方に悩む私、意見をどうまとめていくかに悩む私。参考になるか。

 ものごとを進めて行くには、やる気のある人を集めることが大事。その人たち
が、目標を共有し、知恵を出し合い、サポートし合うのが大事。そう いった雰
囲気作りをするための仕掛けが「すごい会議」。そういうことではないかと思う。

・招待状に「あなたしかいない!」ということが表現されていれば、やる気が高
まる。
・「わかりません」、批判などを許さない。
・気兼ねして言いづらかったことを言ってしまうように仕向ける仕掛けが必要。
・最終決定者は経営者。合議制ではない。
・マイルストーンを設けて、進捗状況を把握し、うまくいっていない場合、新た
な知恵を絞る。(あら探しするのではない)
・3分で出した答えも、30分で出した答えも、9割は同じ。ならば、案作りに時
間を掛けるより、実行に時間を掛けよう。

 まだあると思いますが、本を読んでもらって。
 学校の経営であれば、彼らにファシリテーターになってもらったらいいと感じ
させる内容でした。
 研究室の運営であれば、何が使えるか...考えようっと。

書評:ゲーム理論入門

天谷研一:ゲーム理論入門、日本能率協会マネジメントセンター

家の近くの大学図書館で見つけて。
この本を手に取ったのは、環境心理学も、環境を直接扱うばかりでなく、別の研
究手段を持つべきだという思いから。人と環境の関わりは、何も生の環 境を対
象とするだけが能ではないし、実験的にやることでクリアになりやすいならそれ
もありというスタンス。ゲーム理論に、そのヒントが隠されてい ないかと思っ
たわけです。

ナッシュ均衡というひとつの考え方が説明に寄与しているとの見方。
合理的な推論、話し合い・提案、試行錯誤、どれでも最終的にはナッシュ均衡に
なるはず。こういうバックボーンがあるのが強み。

ネットワーク外部性(=利用者が多いほど価値が高まるという性質)、
ホテリングの立地ゲーム(=2つの店は、全体の1/3ずつの場所ではなく、中央
に2軒集まるのが合理的)、
脅しのゲーム(=「他店より1円でも高い場合には安くします。」は、牽制し
あって高価格を維持するメカニズムの一つetc.)、
不完備情報のゲーム(=相手の情報がわからないときは、どうなるか。封筒の交
換ゲームの話は面白かったが、現実はちょっと違うか。)
勝者の呪い(=オークションで勝つということは、市場価値より高い金額を払っ
たことになる)
...などなど、面白いことが書いてあった。

 ただ、読後感としては、一般常識を数学に変換したものが多いという印象も拭
えなかった。これは社会科学全般の課題だとも思うが。