2013年3月30日土曜日

春のシーン・夏のシーン

今年は例年になく桜が咲くのが早かった。入学式の頃には葉桜だろう。それで
も、通勤途上の其処此処で見かける桜は、春めいていていいものだなと思 う。
近年、日本でも大学は9月入学としようという動きがあるが、私は春がいい季節
だという一点において、反対である。「これから」を感じさせるこの季 節に入
学するという風習は、時期を動かさない理由として充分なものに思われる。

2008年の6月にストックホルムを訪れた。ABBAのメンバーだった誰それが経営す
るというホテルで開催される学会に参加するためである。その 後、フィンラン
ドに渡って、アアルトの建築をいくつか訪れたが、その過程で目にした北欧の自
然はとにかく美しかった。June Brideという言葉の意味をようやく実感したので
ある。

国際学会は6月から7月に開催されることが多い。9月に始まった授業が終わ
り、バカンスに入る頃である。そのまま直行する輩も多いのであろう、国 際学
会は夫人同伴のケースも多々見られる。

そうやって考えてみると、日本は一番いい季節に勉学や就業の思いを新たにし、
西欧ではバカンスを楽しむ。そういうカレンダーになっているようだ。
それはそれで、国民性を表していていいのではないかと思う。

国際性とか同調による効率性とか以外のもの、風習とか美意識とか、そういうそ
こはかとないものに価値を見いだすのも悪くないと思ったりするのであ る。