2010年1月21日木曜日

理系か文系か、迷える16歳の娘に向けて その4

さて、それでは万能人にはどんな力が必要かということなのだが、それは「自分
で考える」ということに尽きると思う。
世の中には本を読むと勉強ができるようになるという考えがある。本を読むこと
は大事だと思うが、それだけでは充分ではない。「私は本を読むのが好きで
す。」という学生でも、話をしてみると、それが血肉になっていないと感じる人
がいる。話をしてみるとわかるのは、目は字面を追っているのだろうが、そこか
ら何かを感じ取り、自分の考えというものに昇華させる過程が感じられないとい
うことである。それがないと、深まらない。
 
「学ぶ」は「まねぶ」つまり「まねる」からできた言葉だという説を聞いたこと
がある。「まねる」というのは勉強の第一歩なのだが、それは発見を伴っている
はずだ。
 
父は、大学の体育で野球を取り首位打者に輝いたのが密かな自慢なのだが、それ
は打てなかったときに野球部上がりの学生の打撃フォームを観察して一つのこと
に気づいたことがベースになっている。それは、「膝が折れている」ということ
だった。膝を軽く曲げることにより、目の位置が上下しない姿勢を取ることがで
きる。それがしっかりとボールを見ることにつながると判断し、やってみると打
率が急上昇したのだ。こういうのが「まねぶ」だと思う。
こういうことに理系も文系も関係ない。どちらでもやっていることだろう。

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