2011年6月10日金曜日

色が拡がる


国際色彩学会(AIC)の中間大会に参加中。今回のテーマは、「Interaction of
Colour & Light in the Art and Sciences」である。
これは時宜を得たテーマだと思う。最近LEDの普及が目覚ましいが、LEDは青色ダ
イオードの発明によって三原色が揃い、自由に色を構成すること ができるよう
になった。それは光色のバリエーションを豊富にするから、光と物体の色の関係
を考慮する必要性は格段に増した。実際、多くの発表が LEDを扱っていた。

それらの研究発表やデザイン報告では、赤・緑・青...と多くの色光が出現す
る。私にはそれが、Powerpointを習い始めた学生がトラン ジッションや音の効
果を使いすぎるのと同じように見える。新しい機能を習うと使いたくなる。現在
のLED研究は、それと同じ状態に見えるのだ。
 
色彩調和論では、色相もしくはトーンを統一することが心地よさを生むと言われ
ることが多い。これまでは黒体軌跡に乗った色(橙−白−青白)の光が 大半で
あったから、色の統一性の問題は、存在するにしてもそれほど大きなものではな
かった。放っておいても、ある範囲の統一性が得られることが多 かったのだ。
色が多様になると、それを混ぜて使う。見慣れない色があふれる。そういう物珍
しさの羅列に見えなくもない。
 
以前、キャンパスイルミネーションを見学させてもらった時に感じたのだが、色
光を使うようになると、良さが失われる。ただし、写真映りは悪くな い。実際
に見たときにはいいと思わなくても、写真にするとそれなりに見えてしまうこと
がある。
 
そういうことはあるにしても、私はこのConfusionから早く抜け出して欲しいと
思う。
あまり創造的な結果にはならないような気がするのだ。

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