AIC(国際色彩学会)のあったシドニーで、義理の弟にあった。彼にはオースト
ラリアでの仕事があり、たまたま滞在日程が重なったのだ。
オーストラリア人と話をすることのある彼は、私の知らないことをいろいろ話し
てくれたので楽しかったのだが、シドニーで何処に行くべきか訊ねたときには、
「シドニーは何も見るところがない。だからリピーターがいないんですよ。」と
いう、たぶん日本人の現地スタッフの発した言葉を紹介してくれた。
学会が終わった後、街を歩いてみたが、確かに「もう一度来たい!」と思わせる
ところではない。上海と同じで、「これなら東京でも買える。」という感覚にな
るのだ。つまり、似たり寄ったりのサービスを享受できる街ということだろう。
オーストラリア人はフレンドリーだということは当たっている気がする。物価は
高いし、飯もさほどうまくはないが、特に大きなマイナスではない。安全面は、
割といい気がする。でも、それくらいでは、もう一度訪問しようという気にはな
らないのだな。
そう考えてみると、もう一度訪問しようと思わせる場所は、相当な力を持ってい
るということになる。
それで、どんな街ならもう一度訪問したくなるのか、自分にとっての基準は何か
を考えてみたのだが...。食べ物がおいしいことは、重要な気がする。「食」
は、旅の大いなる楽しみだ。次に文化。絵を見たり、音楽を聴いたり、そういう
ことをしたい。それと居心地。街の雰囲気とでも言おうか。街歩きが楽しい必要
がある。ちょっとした風景に和んだり。ぶらぶら歩いていて、何となく心地いい
感じ。最後に、人。フレンドリーな感じ、親切な感じ、人懐こい感じ。そして安
全。とまあ、こんなところか。
国で言えば、イタリア、スペイン、ベルギー、トルコ、フィンランドあたりがも
ういっぺん行ってみたい。都市でいえば、ヴェネツィア、フィレンツェ、ザルツ
ブルク。日本の街で言えば、京都、金沢あたり。2回以上訪れたことがあるので
割り引かれるが、福岡や熊本なども好み。あと、北海道。
都市ではないけど、カプリ島やクロアチアのアドリア海沿岸も良かった。
キリマンジャロの頂上に、
返信削除「アフリカの水を飲んだ者は再びアフリカへ帰る」というアフリカの古い言い伝えが書かれている(らしい)です。
私の大学の学生が、今夏にタンザニアに行ったのですが、経由地の南アフリカで荷物がなくなるし、下痢、腹痛等々で散々な旅行だったそうで、二度とアフリカに行かないと言っていました。それでも、その学生が就職し、日本の飼い慣らされた日常生活を繰り返すうちに、このようなマイナスな体験を超えて、またアフリカに行きたいと思うようになったとき、そこにアフリカの魅力があるのでしょう。