2009年11月8日日曜日

右肩下がりの...

建築学会だったと思う。弘前大学の先生の話を聞いた。「どうしても、人口が増
えるという想定を崩せないんだよね。」
地方の活気というのは、ひとまず人口に掛かっている。人口が増えれば商業の活
気が増し、税収も増すから、どうしてもそういう想定になり、それ以外の想定は
葬り去られてしまうらしい。施策は、人口増に向けたものになり、人口増がうま
くいった場合を想定したものになる。それが現状と乖離したものであったも、ど
うしてもそうなるのだと言う。
当然、しっぺ返しを喰らうのだが。
 
次のは妻が取っている雑誌で読んだのだと思う。スウェーデンだったと思うが、
福祉の先進国でのお話しである。
老人ホームのようなものは、最初は教会の一室にともかく困っている人達を押し
込める形で始まった。だんだん施設が整備されるようになり、大部屋が中部屋、
小部屋となって、最終的には個室になった。
ところが、経済が傾き出すと、個室でのケアを維持できなくなり、かといって改
修するにも費用がかかりすぎるので、最新の水準の高い施設は首が回らなくなっ
たというのである。
 
環境心理学などをやっていると、どうしてもニーズに対応するというのが基本姿
勢となる。しかし、右肩下がりの時代には、それでいいのか、じっくり考える必
要があるように思う。
しっぺ返しを喰らわないように。
 

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