2010年9月12日日曜日

京都の夏の知恵

ゼミ合宿で京都に来ている。
たまたま宿への道すがらNPOの建物があり、宣伝のチラシをもらった。京都の住
人が京言葉で京都の暮らしについて語るという企画らしい。そこに、 こんな一
節があった。
※あまりにも読めないと思ったので、所々は私も辞書を引きつつ読み仮名を振った。
 
昔の人の夏の工夫。
襖は御簾(みす)へ。縁側との境を葭戸(よしど)に替えて、庇(ひさし)には
真新しい葭簀(よしず)を掛ける。足下もひんやりした網代(あじろ) や藤筵
(ふじむしろ)を敷いたり、電器の傘、額の絵、花器、絵皿、その他の調度品も
みな涼しげなものに替える。照明の明るさもちょびっと落とし、 電球からの熱
気も抑えて、部屋のくらさからも心持ち涼感を醸し出す。
そして、いつも「雑巾は固う絞って」と云われんのに、夏だけは「雑巾はゆるう
お絞りやす」と。「心もち緩めに絞った雑巾で良し土や藤筵を拭いてお くと、
わずかな水分が部屋の温度を下げるんどすな。」
 この後には、「今日の着倒れ。」で、着物を季節に合わせて替えていくという
話題も続いていたのだが割愛。

まったく、細かく細かく、気を遣って繊細に涼を呼んでいたのだなあというこ
と。クーラーがなければ、こういう気遣いが必要になるのだ。スイッチ・ オン
しか考えないのとは違う。
 
坪庭がうまく作用して、微妙に部屋を行ったり来たりする微風を呼び込むのだと
いう研究者もいる。建物を造るときから、季節ごと、日々、いろいろと 考えて
気候風土に適応していた...。
 
体にはともかく、頭にはこちらの方が良かったような気がする。


 

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