2009年7月7日火曜日

アイカ工業のカラーマトリックス=カラーキューブ


マンセル色立体 & カラーキューブ
 

先日、日経アーキテクチュアを見ていたら、カラーキューブというカラーシステ
ムに関する企業広告が掲載されていた。塗り壁材(ジョリパット)の色見本が、こ
のシステムに則って整理されているらしい。
これが面白いのである。
http://www.aica.co.jp/newsrelease/20090608.html

色は3属性で表現できる。マンセル表色系のような色相、明度、彩度のシステム
を取れば、無彩色(白、灰色、黒)の垂直軸を中心に据え、外側に行くほど彩度
が増すシステムとなる。白っぽい高彩度色や黒っぽい高彩度色は存在しないか
ら、結局は(多少ひしゃげているけれども)球状の分布になる。他の表色系も似
たり寄ったり。円筒形に近いものが見られるくらいだ。
 
ところがカラーキューブは立方体である。球がなぜ立方体になるのか。それは、
色の基準をY系としたからである。正方形の対角線をグレーに近い黄から純色に
近い黄を並べる。もう一方の対角線の両端に赤と青を並べる。そうすると、中間
にはさまざまな度合いのグレーを含んだ赤→橙→黄→緑→青が並ぶというわけだ。
 
このようにすると、彩度の段階は黄の周辺でのみ豊富となる。赤や青は極端に言
えば1種類だ。それでもいいというのが、キューブのミソだろう。黄の周辺で細
かい色調が必要となり、赤や青の周辺では色数を絞る。壁面の色を用意するので
あれば合理的な選択だと思う。
 
キューブの縦軸はトーンである。Pale, Light, Soft, Dull, Dark, Strong。
トーン・オン・トーン配色、つまり赤系統、黄系統といった色相の系統は類似さ
せ、色の明度や彩度を変化させた配色(たとえば、さまざまな木材で構成された
インテリアはこれに近い配色となるだろう)はインテリア配色のベースとなるも
のだが、それを構成することは容易である。図の手前から奥に向かう系列が類似
色相だから、その系列で縦にスパンとナイフを入れた四角形上の色を用いればよ
い。キューブがアイソメ図として描かれているのには訳があるのだ。
 
なかなかに面白い。

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