2011年8月25日木曜日

全体のデザイン

建築学会に来ている。
建築学会は研究発表が主体だが、研究協議会、研究懇談会、パネルディスカッ
ションも開催される。私は、後者を選んでしまう性行がある。

□人工過疎地域の生活環境モデル
□空間生命化デザイン

2つのパネルディスカッションに共通していた視点が、「建築を単体として設計
する時代は過ぎた。」ということだった。
図書館を、図書館として設計する。病院を病院として設計する。最高の図書館や
病院ができる。それが従来の建築計画であり、設計者の態度だったとい う認識
があり、それでは不完全だという認識がある。

周辺の景観の中で建築外観を考える。周辺の熱環境に与える影響も考えて建物を
計画する。病院の近くにスーパーを作ることで、老人が買い物しやすく する。
従前から考えられてきていたのだろうが(たとえば、伝統建築の町並みは前者の
事例だろうし、京都の町家は真ん中の事柄の事例だろう。)、それを もっと意
識しようということである。

モノ自体のデザインから、すでにある物、すでに住んでいる人、そういうものと
の関係性とのデザインへ。重点の置き方が変わってきたのだろう。
環境心理的に言えば当たり前のことだが、それが新たな課題として脚光を浴びる
ようになってきたのだなと思った。

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