「心理学ワールド」は日本心理学会の機関誌である。
最新51号に、守谷慶子先生が書かれていたことが印象に残ったので、書き留めて
みる。
「The giving tree」という絵本。少年がリンゴの実や枝を利用し、最後は幹も
切り倒して持ち去る。そういう物語。その絵本に対する感想が、「リンゴに頼っ
てばかり。 自分で自分のことはやるべき。」と指摘する日本の子どもが多かっ
たのに対し、「少年はもらうばかりでずるい。もらうなら、与えるべきだ。」と
考え る英国・スウェーデンなどの子どもという図式だ。
何でも自分でやらなければならなくて、他人との干渉を避ける日本人は、孤独な
のではないか。
自分でやるのと、やってもらったりやってあげたりするのと。後者の方が人との
交わりができるに決まっている。日本の自殺者の多さは際だっている が、それ
が自己責任にされているように、確かに思われる。私自身も、多少そういう解釈
をする傾向を持っているような気がする。そういう社会が、冒 険を拒み、協力
を拒み、うまく行かないことが多ければ無気力を、そして孤独を生み出す。そん
な解釈もできるかもしれない。
虚礼廃止のようなものは、それでいいと思うが、Give と Takeを交換しあうこと
は存外大事で、もしかすると、子どもに教えていかなければいけないことなのか
も知れないと感じたのだった。
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