xがあれば、xの2乗、xの3乗を作ることができる。xの1/2乗もxの1/3乗も作る
ことができる。それらは別の変数だと言い張れる。つまり、変数は無限に作れる
わけだ。
研究として、変数を提案するものがある。なぜか建築デザインの研究などにそう
いうものが多い。街並みを分類したり、建築を分類したりするものがそうだ。分
類を変数というと変な気がする人もいると思うが、名義尺度という言葉があるく
らいだから(これは分類しただけでもスケールになるという意味)立派な変数で
ある。
変数(分類)はいくらでもできる。それらしいものもできる。では、その意味
は? それがよくわからない。
何のための変数(分類)提案かという目的がないものならば、いくらでも研究は
できる。研究に価値があるかどうかを判断するには、価値を計る尺度が必要だ。
たとえば、街の賑わいと街区の構成の関連を見るのだとすれば、賑わいを尺度と
することになる。それとうまく対応が取れる変数や分類が抽出されたなら、研究
は価値があることになる。対応が取れない変数をいくら提案しても価値はない。
しかし、目的が明確でない研究はそれなりにあるようだ。それは、どんなバリ
エーションがあるかわかれば、それがデザインを発想するヒントになる可能性が
ある(ように見える)からそれで十分。そう考える設計者側の特性と関係あるの
かもしれない。
しかし、「分類しただけ」とか、「変数を提案しただけ」という研究を見ると違
和感を憶えるので、ちょっと書いてみた。
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