2013年7月11日木曜日

バーミンガム(イギリスの田舎を巡った...その3)

レンタカーを返して、たどり着いたBirminghamは大都会だった。
駅に降り立つと、まず人種が違う。黒人がやたら多い。なるほど、都会は人を引
き寄せるのだな。
ホテルは駅から150mほど。途中のHi Streetという目抜き通りには、聞き覚えの
あるファッションブランドの店などもある。
そこから一筋入ると、パブが2軒、軒を連ねていた。これが柄が悪い。いや、取
り立てて言うほどでもないのだが、ガンガンに音楽を掛けている。中に いる輩
も、入れ墨組が多くて、まあ、一瞥した限りでは特別にはお友達になりたいと思
わない感じだ。ここでも都会を感じる。
チェックインして、翌朝に乗る列車の切符を買いに出た帰り、回り道をしてみ
た。どうも、このあたりはオフィス街みたいだ。日曜日の夜は、閑散とし ている。
うーん、職・商・飲近接か〜。丸の内と変わらないなあ。

コッツウォルズという田舎を巡ってからたどり着いたから余計に思うのだろう
が、都会というのは金儲けのシステムが組み込まれているのがよくわか る。み
んながお金を払って、それで稼いで、また使って。その循環が見えすぎたみたいだ。

ホテルのWi-Fiは、確か無料と書いてあったのだが...、受付でもらった紙に
は、30分は無料、24時間だと3ポンドと書いてある。うーん、 そういうことか
あ。見えすぎるなあ。

反対に、手業は見えない。ホテルもオフィスも工業製品だ。年月が経つと味わい
が出るというようなものはなくて、更新することになるのだろう。

ホテルの部屋の机もビジネス仕様に変わったことだし、学会モードに切り替える
ことにしよう。

何も撮影していなかった....、ホテルの部屋で代替。

レ・ミゼラブル(イギリスの田舎を巡った...その2)

そう言えば、KLMのオーディオ・ビデオのリストも見づらかった。リストから選
んで初めて内容などが出てくる。ポップアップなどを使って、同じ画 面で内容
も紹介するようにしたらどうだろう。


さて、映画はほとんど見ない私だが、学生が映画やドラマの話をするから、機内
で見てみようかということが出てきた。ヨーロッパ行きはあまり寝ない 方がい
いとすると、本を読むくらいでは時間をもてあます。(だから、帰りはあまり見
ない。寝る。)

学生だったか誰だったか、レ・ミゼラブルが良かったと言っているのを聞いた気
がしたので、到着直前の食事の前くらいに見始めた。未完。

うーん。それでも、人間を虐げるのが普通だった時代の印象が強く残った。隈研
吾がリスボン大地震が神にすがるだけでは駄目だと考え始めるきっかけ とな
り、産業革命やフランス革命へと繋がっていったという説を紹介していたが、こ
こに描かれている庶民の生活は、つらいものがあった。こんな人生 でも、生き
るべきなのか。

革命の代償は大きいが、それが大義となるほどに共有される価値であったことを
感じさせられた映画であった。

さて、結末はどうなるのだろう。
帰りの飛行機で見られるかしらん。

写真は、Bourton-on-the-Waterの風景。幸せそう!?

ラウンド・アバウト(イギリスの田舎を巡った...その1)

日本だと「何かわからないことはございませんか?」と訊ねてもらえるのだと思
うのだが、ここイギリスのレンタカー受付嬢は、「はい、傷も自分で確 認して
ね。GPSは手渡しするわ。鍵。さあ、どうぞ。」といったものだ。オフィスから
一歩も出ない。自分で気づかなければ、失敗して損をするのは 君だ。そういう
文化なのだろう。
いくらキーを回してもエンジンが掛からないので、どうすればいいのか聞きに
行ったら、クラッチに足を載せた状態でないと掛からないのだそうだ。こ うい
うとき、悪い顔をせずに教えてくれるのがマナーなのだろう。親切に教えてくれ
る。日本との、ちょっとした違いだ。

しかし、GPS(カーナビ)にはまいった。
狭い画面に文字で入力するタイプだから、ちょっとずれてなかなか思うようにい
かない。同じ地名が5つも出てきたときはどうしようかと思ったし、画 面が狭
い故に後ろが表示しきれないときも、どれを選べばいいのかわからん。後半を表
示させるボタンなど見当たらないのだ。

文字で入力してリストから選ぶというのは、ミシュランのようなこちらのガイド
ブックと同じシステムだ。地図がないのに不安にならないというのは、 よっぽ
ど文字を信頼しているのだろう。私など、「よしよし、確かに途中にあった地名
だ。これでいい。」というようなチェックがないと不安になるも のだが、こち
らにはないらしい。

カッスル・クームという田舎町に泊まったのだが、何しろ店というものがひとつ
もない。買い物もままならないような街だから、フットパスを巡った。 要する
に、森の中の散歩である。
「ここにフットパスの情報が挟んであるから。」と言われたので見てみると、な
んと文字の羅列。「石垣に沿って歩いて行くと、それの裂け目があるか ら、そ
こを入っていくとホテルに戻る。」
こんな書き方では、何かを見逃したら一巻の終わり。みんな不安にならないのだ
ろうか。私は、結局、地球の歩き方に載っていたコースを歩いたのだ が、こち
らは地図付き。太陽の方向と照らし合わせながら、現在位置を確認しつつ進め
る。こうでなければ、安心できない。

この文字依存の文化とイメージ依存の文化は、実は大きな違いを生んでいるかも
しれない。文字依存ということは、言葉での説明力や読解力が必要とさ れる訳
で、弁論が達者になるはずだ。反対に、日本ではマンガ文化が発達していたりす
る。日本人は互いに空気を読めるから弁舌がうまくないのだとい う説をよく耳
にするが、もしかすると、視覚文化の発達・依存も関係しているような気がする。

さて、ラウンド・アバウトでについて。
カーナビのホルダーが見当たらないとかで、下に置いて使わざるを得ない状態
だったのが、大変だった。カーナビの音声を頼りに進路を決めるとき、 「ラウ
ンドアバウトの3番目で出る」というように言われるのだが、細い道が入ってい
るのかいないのか、わからなくて迷った。Uターンを数回するこ とになった。
最初の目的地ストーンヘンジにたどり着くのに予定の4倍の時間を費やした私め
も、2つめの目的地スタウアヘッドには一発でたどり着けた。カッス ル・クー
ムまでの道のりは最短距離だったらしく、やたら狭い山道を走らされたりした
が、そして、例によってひとつ向こう側の道に入り込んで、数回 途中で左折す
るはめになったが、何とか宿までたどり着いたのだった。
「人生、ぐるぐる。」である。

写真は、Castle CombeのFoot Path.

2013年5月26日日曜日

外国人から見た日本人の色彩感覚 − ここがイイね,ここがヘンだよ

20130524に開催された色彩学会大会のプレイベント。留学生が日本で見た色につ
いて語るという企画である。

大変簡略に言えば、「自国で見かけない固有の色はいや、カラフルなものは好
き。」とまとめることができるだろう。

ロシア、シンガポール、スリランカ、中国、台湾。各国の留学生が共通に挙げた
Weird(異様な、風変わりな)な色が、リクルートスーツの黒 (チャコールグ
レー)である。グレーでも、紺でも、フォーマルならいいじゃないかというの
が、彼女らの言い分だ。「いや、私が就活した25年前 は、私くらいしかチャ
コールグレーのスーツを着た学生はいなかったんだよ。みんな紺だったんだ。」
そう言ったら、彼女たちはきっとびっくりするだ ろう。私だって不思議だもの。

ヨウジヤマモトの服を引き合いに出した学生、黒いパッケージの商品を紹介した
学生、スーツの他に喪服を出した学生。
以前、黒い服を葬式以外で着るのは日本人とフランス人くらいだという話を聞い
たことがある。[黒]は違和感のある(=日常的でない)色なのだろう か。確
かに、プレゼンテーションを見ていると、日本人は黒を使いすぎだと感じた。
なんでそんなに黒が好きなのかねぇ。

「かばんなのに赤(ランドセル)」、「帽子なのに黄色(安全帽子)」、「ポス
トなのに朱(中国では緑なのだとか。ドイツは黄色ですね。)」など、 母国で
定まった色がある場合には、違和感を感じてWeirdになる。

一方、いいと感じるのは自然の色。「桜」、「青空」、「紅葉」。こういうもの
は、母国にはないもの。
茶色のチョコレートパッケージよりピンクや緑を使ったパッケージがいいという
のも、母国にはないカラフルさがいいのだろう。

人は、文化に規定され、母国にはないあでやかなものを求めているということが
わかったのだった。
そういうことなのだなぁ〜。

2013年3月30日土曜日

春のシーン・夏のシーン

今年は例年になく桜が咲くのが早かった。入学式の頃には葉桜だろう。それで
も、通勤途上の其処此処で見かける桜は、春めいていていいものだなと思 う。
近年、日本でも大学は9月入学としようという動きがあるが、私は春がいい季節
だという一点において、反対である。「これから」を感じさせるこの季 節に入
学するという風習は、時期を動かさない理由として充分なものに思われる。

2008年の6月にストックホルムを訪れた。ABBAのメンバーだった誰それが経営す
るというホテルで開催される学会に参加するためである。その 後、フィンラン
ドに渡って、アアルトの建築をいくつか訪れたが、その過程で目にした北欧の自
然はとにかく美しかった。June Brideという言葉の意味をようやく実感したので
ある。

国際学会は6月から7月に開催されることが多い。9月に始まった授業が終わ
り、バカンスに入る頃である。そのまま直行する輩も多いのであろう、国 際学
会は夫人同伴のケースも多々見られる。

そうやって考えてみると、日本は一番いい季節に勉学や就業の思いを新たにし、
西欧ではバカンスを楽しむ。そういうカレンダーになっているようだ。
それはそれで、国民性を表していていいのではないかと思う。

国際性とか同調による効率性とか以外のもの、風習とか美意識とか、そういうそ
こはかとないものに価値を見いだすのも悪くないと思ったりするのであ る。

2013年1月6日日曜日

OS Xの「辞書」アプリで「英辞郎」を使う をやってみた(初心者向け解説)

Macで英辞郎を使うソフトが良くわからず、ネット検索したところ以下に出会った。
結果的に非常に快適なので、お薦めしたい。「初心者向け」に作業手順を紹介する。

大本はTatsさんのページです
OS Xの「辞書」アプリで「英辞郎」を使う
http://www.binword.com/blog/archives/000569.html

作業環境
Macbook Air(Mid 2011)
Mac OS 10.7.5(Lion)
プロセッサ 1.7GHz
メモリ 4GB

作業手順
(1)Xcodeのダウンロード
Mac App StoreからXcodeをダウンロードする。(Finder→アップルマークのメニューからアクセス。)
Appleの開発者用アカウントを作成する必要があり、氏名等を入力させられる。無料。

(2)Dictionary Development Kitのダウンロード
「アプリケーション」フォルダ内のXcodeを起動。
「Xcode」メニュー→「Open Developer Tool」→「More Developer Tool」で開発者用のウェブページを開く。「Auxiliary tools for Xcode」を探し出してダウンロードすると、その中に「Dictionary Development Kit」が入っている。
 ダウンロードした「Dictionary Development Kit」フォルダを「アプリケーション」の中に移動する。
※別にここでなくとも動くが、ワンパターンにしておいた方が間違いがない。

(3)Command Line Toolsのダウンロード
「Xcode」メニュー→「Preferences」→「Downloads」タブで現れる「Command Line Tools」をインストール
※これがないとmakeコマンドを受け付けない

(4)eiji_conv???.zipのダウンロード
http://www.binword.com/blog/archives/000569.htmlから、ダウンロードできる。H24年末の段 階では、eiji_conv009.zipだった。
 ダブルクリックして解凍。「eiji_conv009」フォルダができる。

(5)project_templatesの上書き
「Dictionary Development Kit」フォルダ内に「project_templates」フォルダがある。そこに「eiji_conv009」フォルダ内のファイルを移動。3つの ファイルが上書きされる。

(6)英辞郎の購入
http://www.eijiro.jp/get.htmから購入サイトに移動できる。
※書籍版だと、makefileの書き換えにさらに一手間いるらしい。
 書籍版より廉価でもあるし、ダウンロード版を購入する。
H24年末の段階では、EDP-136.zipがダウンロードされた。解凍すると、「EDP-136」フォルダができる。(※数字はバージョン)
その中の「EIJIRO」フォルダに以下の4ファイルがある。これをproject_templatesフォルダにコピーする。
EIJI-136.TXT
REIJI136.TXT
RYAKU136.TXT
WAEI-136.TXT

(7)makefileの書き換え
「project_templates」フォルダ内のmakefileをダブルクリックして開く。きっとテキストエディットで開かれる。
DICT_BUILD_TOOL_DIR = "/Developer/Extras/Dictionary Development Kit"
の行を
DICT_BUILD_TOOL_DIR = "/Applications/Dictionary Development Kit"
に書き換える。
※eiji_conv009.zipがLionより前のMac OSに対応しているための措置。
 この例は、「Dictionary Development Kit」フォルダがアプリケーションフォルダにある時の記述。
 両端の"がmakefile内の他の"と異なっている場合には上手く作動しない。
 他の"をコピーして置き換える。
 普通に保存。

(8)rubyコマンドの実行
「アプリケーション」フォルダ→「ユーティリティ」内にある「ターミナル」を起動。以下のコマンドを打つ。(※「$」は「$」の出ている行の$の 後にこう打つという意味。)
$ cd /Applications/Dictionary\ Development\ Kit/project_templates
$ ruby -Ks ryaku_conv.rb < RYAKU136.TXT > Ryaku.txt
$ ruby -Ks cat.rb EIJI-136.TXT Ryaku.txt > Eijiro.txt
$ ruby eiji_conv.rb < Eijiro.txt > MyDictionary.xml ; make ; make install
※最初のcdでchange directoryし、「project_templates $」という表示が出ている状態にする。
 あとはrubyコマンドで辞書を統合したものを作成していく。
 バージョンの部分は、適宜書き換えること。

(9)ひたすら待つ
「Done.」が表示されれば、終了。
今回の環境では、12時間掛かった。丸1日くらいは電源ONにしておけるときに実施すべきだろう。
「アプリケーション」フォルダ内の「辞書」をダブルクリックして開くと、英辞郎が追加されている。

※導入された「英辞郎」のファイルは、辞書アプリの「ファイル」メニューから「"辞書"フォルダを開く」を選ぶと見ることができる。ユーザーの方 の「ライブラリ(普段は非表示)」に存在していた。ちなみに、他の辞書はMacintosh HD直下のライブラリにあるDictionariesフォルダ内にあった。

(10)和英辞郎も導入(してもよい)
※以下を良く読んでご判断ください。不備があります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
makefileの書き換え
 ファイル内の「英辞郎」を「和英辞郎」に書き換える。
あとはrubyコマンドを実行する。
$ ruby -Ks cat.rb WAEI-136.TXT REIJI136.txt > Waeijiro.txt
$ ruby eiji_conv.rb < Waeijiro.txt > MyDictionary.xml ; make ; make install
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回の環境では、26時間くらい掛かった。
※辞書アプリを立ち上げたら、最初は英辞郎というラベルが2つ表示された。クリックしてみると、中身はどちらも和英。困った....しかし。
 ラベル(辞書Windowに表示された辞書名のうち、右側の「英辞郎」という文字)をcontrol+クリックするとラベルを変更できる。それ を「和英辞郎」に変更して、環境設定で英辞郎のチェックをはずして点けてとやったら、英辞郎は英辞郎、和英辞郎は和英辞郎になった。めでたしめで たし....が、なぜかはわからん。
 Dictionariesフォルダにあるファイルはきちんと「英辞郎」と「和英辞郎」の名前でできている。
「MyInfo.plist」の情報を書き換えておけば、こんな作業は必要なくなるのだろうと思うが、試行して表示を消せなくなっても困るので Tryしていない。

(11)
「control+command+Dを押しっぱなしにしていると、マウスカーソル近くの単語を自動認識して辞書を引いてくれるのでとても快適 だ。」とTatsさんが書いている。SafariなどAppleが作成したアプリなら、そうなるのかな。Evernoteもそうなった。 Firefoxは駄目だった。

(補足・蛇足)
Tatsさんに感謝。お世辞じゃなくて、そう思います。ありがたい。
この文章で、導入がやりやすくなり、Tatsさんの時間を取ることが少なくなれば本望。
この作業を遂行するに当たって、TatsさんのBrogのコメントも役だった。初心者の投稿という感じのものは少なく、有益な情報が並んでいたか らだ。
Tatsさんの時間を取るのではなく、こういう情報を参照して、できるだけ自力で解決していきましょう。

画像は、上記遂行後のDictionary Development Kitフォルダの状態

2012年11月15日木曜日

正義、友情、恋愛

「恋愛物じゃない映画ってないのかな。」という思春期の娘の言葉で思い出した
こと...。

誰だか忘れたが、ある映画監督が、映画のテーマは3種類しかないということを
言っていた。正義、友情、恋愛だ。

これって、歌でも同じじゃないかと思い、考えてみると、そんなことはない。正
義や友情を歌った歌詞はあまりなさそうだ。

詩の世界も、正義や友情は少なそうだ。しかし、自然賛歌のようなものやその神
秘に纏わるものは増えそうである。

小説などになれば、映画と同様に正義、友情、恋愛でも良さそうだ。サスペンス
なんていうのも、小説や映画・ドラマのものだろう。

こうやって拾ってみると、正義や友情と比べて恋は刹那的であることがわかる。
恋は短い言葉で表現できると。感覚的・感情的。
それに対し、正義や友情は、ストーリー展開の中でなければ語れないものなのだ
ろう。じわーっと沸き上がってくるもの。意外とロジカル!?

さて、愛というのはどうだろう。
短くても長くても良さそうだ。
恋は短し。
愛は短くも、長くもあり。

秋の夜長に相応しい話題だったかな!?